アプリケーションノート - 高電圧電源
フロントパネルデジタルメーターの制限
AN-14
スペルマンのラック搭載型高圧電源とX線発生器は、出力電圧と電流を表示するデジタルメーターが付いた全機能フロントパネルを有します。これらのメーターは、電力供給の機能状態非精密基準をして使用されることを意図しています。以下に説明される固有の制限のために、フロントパネルメーターを精密なプロセス制御を得るため、特に小さな信号の読み取りに使用することは推奨されません。
デジタルメーター電圧最大入力要件
用いられる一連のデジタルメーターは0-2Vdcの入力電圧信号を利用します。2Vdcはメーターが受入れられる絶対最大入力信号です。スペルマンは、高圧電源のプログラミングとモニタリングに0-10Vdcのプログラミング信号を使用します。つまり電源フィードバック回路で生成される0-10Vdcの電圧と電流監視信号は、フロントパネルメーターに表示させるために2Vdcとそれ以下に分割されなくてはなりません。信号を分割することは、バックグラウンドのノイズに近づけ、信号対雑音比(SN比)を減少させます。
信号の減衰
30kVの電源には、背面パネルインターフェイスコネクタに設けられた10Vdcのフルスケール電圧モニタ信号が付いているでしょう。しかしフロントパネルデジタルメーターに正しく読み取らせるためには、この10Vdc信号を30mVまで減衰させなくてはなりません。そうです、300mVです。10Vdcではデジタルメーターに正常な数字を表示することができず、10Vdc信号を3Vdcに分割しても2Vdcが最大入力のメーターには大きすぎるからです。
信号対雑音比(SN比)
ノイズはほとんどの電気システムに存在しています。これはスイッチングレギュレータ、クロック回路等に起因する低レベルのバックグラウンド信号です。理想的にはノイズゼロが望ましいですが、いくらかのノイズが存在し対処しなくてはなりません。スイッチング電源では、アナログ制御ライン上のバックグラウンドノイズが25mVというのは珍しくありません。一般的には、最も高いSN比を提供するノイズと比べる時は、出来るだけ大きな信号を有することが望ましいです。
例
10Vdcのフルスケールの背面パネル電圧モニタ:10V/25mV = 400, 信号はノイズの400倍です。300mVのフルスケールフロントパネルデジタルメーター:300mV/25mV = 12, 信号はノイズの12倍です。電源が最大出力電圧以下で作動すると、SN比条件のみが悪化します。正確性を求めると、最大定格出力の非常に小さい割合での再現性のある結果は、不可能な例となるでしょう。
メーターの精度
仕様される一連のフロントパネルメーターには、通常精度2%、±1の最下位ビットが付いています。それらは毎秒2回程度の割合で表示を更新します。これらの仕様を非公式の基準測定に仕様することは問題ありませんが、精密な測定機器としてみなされるべきではありません。
要約
これまで申し上げたような小さな信号レベルの問題、SN比、そしてフロントパネルメーター自体の非精密な性質のため、重要なプロセス制御測定を行うためにこれらのメーターに依存することはお勧めしません。外部の高精度な5.5かまたは6.5桁メーターの背面パネルモニタ信号と共にフルスケール0-10Vdcで電源を使用することにより、電源の性能測定はベストな選択となります。