アプリケーションノート - 高電圧電源

どの程度低くできますか?高圧電源装置のプログラミングにS/N比が重要な理由について。

AN-04

実質的に、Spellman電源装置はすべてプログラム可能です。通常、0ないし10ボルトの接地基準アナログ・プログラミング信号は、最大定格電圧および/または電流の0ないし100%に比例します。モジュラー型装置は概して遠隔供給される信号のみ許容する一方、ラック・マウント型ユニットもフロント・パネル・マウント型の多重巻ポテンショメータを備え、ローカル・プログラミング能力を提供します。

2種類のユニットを例にとってみましょう。0ないし10ボルトの電圧プログラミングが、0ないし100%の出力電圧に相当するとします。1つ目のユニットはSL100P300(最大100kV)、2つ目のユニットはSL1P300(最大1kV)です。

かなり低めの100ボルトの出力電圧が望まれるとして、各ユニットが必要とするプログラミング電圧レベルを考察してみましょう。

SL100P300

SL1P300

(100/100,000) (10) = 10mV

(100/1000) (10) = 1ボルト

同じ100ボルトの出力を得るのに、SL100P300では10mVのプログラミング信号を必要とする程度である一方、SL1P300では1ボルトのプログラミング信号を必要とします。

ノイズはほとんどの電気系統に付き物で、これはスイッチング・レギュレータやクロック回路などに起因する低レベルのバックグラウンド信号です。理想的にはノイズがゼロであればよいのですが、多少のノイズは存在するもので、対策を講じなければなりません。SLシリーズなどの電源装置では、アナログ制御線上の25 mVのバックグラウンド・ノイズは珍しくありません。理想を言えば、プログラミング信号をできる限り大きくすることにより、ノイズ信号の影響を最小限に抑えたいところです。弊社の2種類の電源装置の例について、ノイズがどのように信号に影響するか、見てみましょう。

SL100P300

SL1P300

信号 = 10 mV

信号 = 1000 mV(1ボルト)

ノイズ = 25 mV

ノイズ = 25 mV

s/n比:信号がノイズより小さい!

s/n比:信号がノイズより40倍大きい

SL100P300から安定した反復可能な100ボルトの出力を得るのはかなり困難な一方、SL1P300では簡単に得られることが一目瞭然です。

低い出力電圧が求められる場合、必要なプログラミング信号と、その信号とシステム・ノイズ・レベルとの比較を考察してみてください。そうすることにより、ノイズの影響を最小限に抑えつつ、安定した反復可能な出力が得られます。